こんにちは、テクマトリックスの米田です。
Jenkinsは世界中で広く利用されているCI/CDツールの一つですが、Certified Jenkins Engineer(CJE)という認定資格があることはご存知でしょうか。CJEを取得することで、Jenkinsの適切な利用方法だけでなく、ソフトウェアテストやCI/CDに関する概念についても理解を深めることができます。今回はこのCJEについてご紹介します。

CJEとは

Certified Jenkins Engineer(CJE)は、有償版のJenkinsを提供しているCloudBees社が用意している認定資格です。CloudBees社がCJE試験などの学習用に提供している公式トレーニング教材のウェブサイトCloudBees Universityには次のように記載されています。

Certified Jenkins Engineer (CJE) is a professional certification that demonstrates your understanding of CI/CD concepts and DevOps best practices, as well as the major features of Jenkins. Attaining certified status means you possess the skills and hands-on experience necessary to implement and use Jenkins®.

https://university.cloudbees.com/jenkins-cje-cert-info(閲覧日:2024-08-15)

日本語に翻訳すると次のようになります。

Certified Jenkins Engineer(CJE)は、CI/CDの概念とDevOpsのベストプラクティス、およびJenkinsの主要な機能に関する理解を証明するプロフェッショナル認定資格です。認定資格を取得することは、Jenkins®を実装して使用するために必要なスキルと実務経験を有することを意味します。

Google 翻訳を基に一部修正

試験概要

以下にCJE試験の概要をまとめました。

  • 問題数:60問(択一式。複数選択する問題もあります。)
  • 試験時間:90分
  • 受験形式:自身のPCからリモートで受験。ウェブカメラとマイクの準備が必要。
  • 受験料:$99.00(USD)
  • 有効期限:認定証の発行日から3年間

CJE試験では、公式トレーニング教材のCloudBees Universityのうち、下記のトピックについて出題されます。

問題にはJenkinsの適切な利用方法やパイプラインの作成方法だけでなく、Gitをはじめとする構成管理ツールやDocker、ソフトウェアテスト、CI/CDに関する内容も含まれます。
受験結果は試験終了後にPCの画面上に表示されます。メールでも通知されます。不合格の場合は各トピックの正答率も表示されますが、合格の場合は正答率は表示されず、合格認定書のpdfファイルと合格バッジの画像ファイルがメールで届きます。

CJEの合格認定書

受験時の注意点

  • 受験用ブラウザのインストール
     受験日時を迎えると、Google ChromeやMicrosoft Edgeなどのブラウザで受験サイトにアクセスし、受験までの手順を進めますが、事前にGuardian Secure Proctoring Browserをインストールする必要があります。Guardian Secure Proctoring Browserは、試験やテストのオンライン監督に使用されるセキュアなブラウザです。インストールの案内はCJE試験の購入時にメールでも通知されます。
  • リモートでの試験監督との対話とPCや部屋の確認
     受験サイトにアクセスして受験までの手順を進めると、途中でGuardian Secure Proctoring Browserに遷移します。その後はGuardian Secure Proctoring Browserを使用して、リモートのテスト監督と英語で会話し、受験で利用しているPCを受験者が動かして、受験者の部屋の様子や机の状態などを確認します。この時、本人確認用のID(パスポートなど)も確認するので、忘れずにご準備ください。リモートのテスト監督が受験者のPCを遠隔操作し、不必要な設定があればオフにすることもあります。リモートのテスト監督からの確認を取ることが出来れば、受験を開始することができます。受験開始後もリモートのテスト監督者に部屋の様子が映るようにウェブカメラの位置を固定し、声を発してはいけません。
     初めて受験する場合、突発的に英語での会話を求められたり、PCを動かして部屋の様子を見せることを求められて焦ってしまうかもしれませんが、落ち着いて対応しましょう。
  • 出題形式
     CJE試験は英語で出題されます。英語を用いて学習し、Jenkins特有の英単語に慣れておく必要があります。また択一式の出題で、複数選択する問題もあります。部分点はありません。中途半端な知識では回答できないので、しっかり学習することが必要です。

学習コンテンツ

以下は筆者がCJE試験の学習で利用したコンテンツになります。CJE試験の学習をする際にご参考にしてください。

  • CloudBees University
     CloudBees Universityは、CJE試験を実施しているCloudBees社が提供している公式のトレーニング教材です。ご利用にあたってはアカウント登録が必要ですが、CJE試験の出題範囲をカバーしているため、非常に有用です。CJE試験の申し込みもCloudBees Universityから行います。
  • Jenkins User documentation
     Jenkins User Documentationは、Jenkinsの機能とプラグインに関する情報が記載されているドキュメントで、Jenkinsの公式ページで公開されています。全文英語での記述となっています。文章量も多いですが、その分CJE試験の出題範囲はカバーされています。トピックによってはCloudBeesのYoutubeチャンネルへのリンクもあり、Jenkinsの操作を動画で視聴することができます。
  • Jenkinsを操作する
     自身のPCにJenkinsをインストールして実際に操作することも重要です。試験では様々な機能やプラグインに関する問題が出題されるため、Jenkinsを使って実践的な学習をすることは効果的です。
  • Udemy
     Udemyには、CJE試験の模擬試験を扱った教材があります。Jenkinsを操作して学習するだけでなく、Udemyの模擬試験教材を利用してCJE試験の出題傾向に慣れました。

CJE取得のメリット

CJE試験の学習や取得を通して感じたメリットを記載します。

  • Jenkinsの利用方法を深く知ることができる
     CJE試験の学習を通して、Jenkinsのインストール、Jenkinsの効率的な管理やセキュリティのベストプラクティス、そしてパイプラインの構築方法に関する知識を得ることができます。これらの知識は、Jenkinsを効率的かつ安全に活用することに役立ちます。
  • ソフトウェアテストやCI/CDに関する理解も深めることができる
     CJE試験ではJenkinsそのものの問題以外にも、ソフトウェアテストの詳細や効果的なテストの実装方法、CI/CDの基本概念について学ぶことができます。さらに、Gitをはじめとする構成管理ツール、DockerやKubernetesのコンテナ技術といった、Jenkins以外のツールにも触れます。CJE試験の出題範囲は広いですが、より効果的なCI/CD環境を構築するために非常に役立ちます。
  • Jenkinsに関するスキルの証明
     CJEを取得することは、世界中で広く利用されているJenkinsに関するスキルの証明にもなります。プロジェクトやチームで新たにCI/CD環境を構築することがあれば、CJEを取得していることやCJEの学習を通して得た知識は非常に役に立ちます。また、CJEの取得はLinkedInやX(旧Twitter)などのソーシャルメディアサイトへ共有することができ、社内外にスキル保有のアピールをすることができます。

まとめ

筆者はCI/CDに関する知識がほとんどない状態でCJE試験の勉強を開始し、合格まで5か月ほどを要しました。簡単な試験ではありませんが、CI/CDについて多くのメリットを享受でき、業務に活用しています。Jenkinsを利用したCI/CDにご興味のある方は、是非CJEの取得を検討してみてください。

また、弊社のソフトウェア開発基盤ソリューションチームはJenkinsを利用したCI/CDに関するサービスを提供しています。CJEを取得した者がサービスの提供を担当しています。提供しているサービスには、お客様のご要望に合わせたCI/CD環境の構築やJenkinsの利用方法を学ぶためのJenkinsトレーニングなどがあります。気になるサービスがあればお気軽にお問い合わせください(その他のサービスはこちら)。

By yoneta